ピュテアス|イギリス生活

帰ってこなかったフットボール

シーーーーーーーーーーーーーーーーん・・・・

無言で部屋を一周する夫。

その後一言も発さないまま、10分ほど過ぎただろうか。

一緒に観戦していたはずの義父も、いつの間にかいない。

画面の中では、選手達がかけてもらった銀メダルを外している。

PK戦で外してしまった選手たちの気持ちを思うと苦しくなる。でもきっと彼らはこの悔しさを糧に、もっと強くなっていくんだろう。

今、一人一人が「あの時ああしてたら・・・」と悔しい思いをしているのだろうけど、素晴らしいプレーだったと思う。

こんなに沢山の人を楽しませてくれてありがとう、スリー・ライオンズ!

紳士的でテクニックを駆使したプレーは素敵だった。

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なお、手を使って対戦相手を突き飛ばしたり、服を引っ張って倒すなど、フットボールの世界ではよくあることらしい。

一番かわいそうだった上のシーン・・・批判も多く集まっているが、あれくらいの手を使えなきゃユーロで戦えないとの意見もあるようだ。ただイタリアチームが躊躇なくファウルギリギリ(というかあれがファウルじゃなかったらファウルとは一体…くらいの)の手を連発する中、イングランドチームは比較的誠実なプレーを展開していたように思う。

フットボールのことはよく分からないけど、審判基準をもう少し厳しくした方が、面白いゲームになるんじゃないかなあ。これまで培ってきたテクニックをお互いが存分に発揮して、手を使って進行を妨げたりせず、正々堂々と戦ってくれた方が、観てる方も楽しい・・・なんて思うのは私だけ・・・じゃないよね?

どんな手を使ってでも「勝ち」こそ全て、それこそがスポーツ哲学、文句言わない、なのか・・・?

ルールがあるからこそ面白いのがスポーツなのになあ。

・・・と、少々気になる点はありながらも、後半のイタリアチームは確かに勢いがあった。

やっぱりうまいよね・・・当たり前だけど。

絶対勝ってやる!という士気と、自分たちを「信じる」気持ちが最後まで途切れなかったのは、もしかしたらイタリアだったかもしれない。

イングランドはサポーターも含め、後半イタリアが点を決めた後、あからさまに沈んでいた。

「やっぱりダメになるんだ、夢だったか・・・」という諦めモードが凄かった。私の家の中も。

いやいやまだ終わってないでしょ、と、新米イングランダーの私は思うのだが、’55 years of hurt’ とともに生きてきた人たちの心境や思考回路にはまあ色々と複雑なものがあるのだろう。

1 -1 とまだ同点にも関わらず、イタリアサポーターは優勝決定かのような盛り上がりを見せ、イングランドは負け決定かのように静かになり、それまでイタリアチームがボールを持つ度に元気にかけていたブーイングもしばらくやめてしまった。

その空気は選手にも伝わるのだろう・・・後半(の前半)のイングランドは、どうも不安定だった。

その点、イタリアチームの士気はやはり凄い。

一瞬の隙を見てすっ飛んでくる。

情熱の国、イタリア。

そんなとろこで、EURO 2020 での優勝は逃してしまったイングランド。

だけど決勝まで勝ち進んで、イングランド中、いや世界中のサポーターに笑顔と希望を与えた代表チームは凄い!

それにも関わらず、敗戦直後から一部の選手への人種差別的な攻撃がSNSを中心に発生し、悲しく恥ずかしいことだと思う。

壁画にも悪質な落書きをされたが、大半の良心あるファンが落書きを隠し、メッセージを上書きしている。

・・・・・・

すぐに鋭い口調で声明を出したFAや政府の対応はさすがだった。

FAの声明には、「このような非常に不快で許し難い行為をする者は、誰一人としてサポーターとして歓迎しないことを、これ以上ないほど明確にお伝えする」とある。

暴力沙汰や、街を汚すなど、呆れた行いをしている人たちもいるようで、やめてもらいたいですね、切実に。

・・・・・・・・・

イタリア、おめでとう!

イングランド、ありがとう!

来年のワールドカップがまた楽しみになりました。

スポーツと言えばウィンブルドンも良かったですね、いつか生で観に行きたいです。

今月はオリンピックも始まるし(やるのよね?)、それぞれ応援楽しみましょうね!

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