ピュテアス|イギリス生活

エマ・ラドゥカヌ – 若きテニススターの誕生

さてさて、また更新が遅れてしまい、失礼しました。

前回の記事では、エマ・ラドゥカヌ選手が、テニスUSオープンで準決勝に進むというお話をしました。

この日、準決勝に進んだラドゥカヌとフェルナンデスは、それぞれの試合で勝利し、ついにこの凄まじい10代の二人が決勝を争うことになりました。

個人的には涙涙の、素晴らしい決勝戦でした。

こんなに面白いテニスの試合を見たのは初めてだという声もたくさん上がっていましたね。

優勝トロフィーを手にしたのは・・・エマ・ラドゥカヌ選手でした!

・・・

日本ではどのくらい話題になっていましたか?

日本では、一部のファン(うちの母のような)を除いて、一般的にテニスでそこまで盛り上がる雰囲気はなかったような気がします。

イギリスは、テニスにおいて歴史があり、ウィンブルドン大会は150年近く前から開催されています。そのため日本よりは注目度が高いですが、フットボールのワールドカップや欧州選手権ほどとは感じません。

日本では、有料のWOWOWに登録しなければ生放送でテニスの観戦ができませんよね。

イギリスでは、全ての大会ではありませんが、グランドスラム、その他多くの大会がAmazonプライムビデオでライブ配信されています。
プライムビデオも無料ではありませんが、Amazonプライム特典のうちの一つですし、通常の動画配信も豊富で、追加料金なくテニスの試合が見れるのはお得な気分です。

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新テニススターの誕生

さて優勝したエマ・ラドゥカヌ選手ですが、この日を機に、一気にスターダムにのし上がりました。

彼女はイギリス人であるため、ここイギリスは歓喜に溢れていました。

国民が活躍すると、いつも素早く反応するエリザベス女王。

エマ・ラドゥカヌ選手は今回、偉業を達成しました。

イギリス人女性の功績として、国民に喜ばれることはいいと思います。

ですが「イギリス人だから嬉しい」という部分が前に前に出てきてしまうと、正直、少し違和感を覚えます。

もちろん、これは郷土愛ともいうもので、小規模なものからいえば「家族」が、「同級生」が、「地元の人」が、そして「同じ国出身の人」が活躍して嬉しいというのは、素直な喜びだと思いますし、私の中にもそういった気持ちはあります。

このブログも「イギリス」をテーマとしているので、イギリス人の活躍として取り上げているのも事実です。

でも実際には、その人の達成したことはあくまでその人の努力の賜物であり、出身がどこであろうと称えたいことです。

特にテニスは個人競技なので、より、そう感じます。

エマ・ラドゥカヌ選手は、イギリス国旗を背負った一人の勇敢な女性戦士、と本人が望むのならそれもいいですが、私としては、まずは彼女自身に大きな拍手を送りたいと思います。

同じように、優勝は逃してしまったレイラ・フェルナンデス選手にも、大きな拍手を送ります。

W杯、EUROSなどでは、国別でチームとなるため、さすがに国を選んで応援することになりますし、それはルールの範囲内であれば、楽しいことです。

ちなみに、実はオリンピックは国別対抗戦ではなく、IOCはメダル獲得ランキングについて「サービスの一環」だとしています。オリンピック憲章6には、『オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない』と明記されているのです。

Met Gala

一躍大スターとなったラドゥカヌ選手は、あっちこっち引っ張りだこで、目まぐるしいひと月になったと思います。

テレビ出演、ファッションイベントの参加、雑誌や広告の撮影などをこなしながら、早速練習にも励んでいたようです。

ニューヨーク、メトロポリタン美術館でのファッションイベントMet Galaでは、Chanelを纏ったエマ。

決勝を争ったレイラ・フェルナンデス(Carolina Herrera)、大坂なおみ(Louis Vuitton)、セリーナ・ウィリアムズ(Gucci)など、他のテニススターも多く参加していました。

余談ですが、
エマ・ラドゥカヌはルーマニア人と中国人の両親を持つ、カナダ生まれのイギリス人。
レイラ・フェルナンデスの父親はエクアドル出身で、母親はフィリピン系カナダ人です。
大坂なおみが日本とハイチのルーツを持ち、アメリカ育ちの日本人であることは有名ですね。

二つ以上のルーツを持つ選手は、全く珍しくなくなってきています。

これはスポーツ界に限ったことではありませんが、こうしてトップ選手たちが並ぶと、既に人種の多様性が世界では当たり前になっていることに気づきます。

Arrive Unknown. Leave Unforgettable.

エマ・ラドゥカヌは、ついこの間まで、ほぼ無名の選手でした。

US Openでは予選からスタートし、そのまま10試合を1セットも落とさずに勝ち抜き、優勝しました。

彼女のことを誰も知らなかったのに、たった一週間で、忘れられない人となったのです。

エマ・ラドゥカヌは、

  • 予選通過者としてグランドスラムを制した初めての選手
  • USオープンで1セットも落とさずに優勝した選手(2014年セリーナ・ウィリアムズ以来初)
  • 53年ぶりにUSオープンを制したイギリス人女性(1968年のバージニア・ウェイド以来)
  • イギリス人として最年少のグランドスラム優勝者

となりました。

今後の活躍もますます楽しみな、若きテニススターの誕生です。

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