「妊婦でもワクチンを打てるの?」
と聞かれることがあります。
答えは、「打てます」。
妊婦はワクチンを打つべき?
イギリスでは、当初から妊婦のコロナワクチン接種が推奨されていました。
こちらの動画の要点は、
- ファイザーまたはモデルナワクチンを接種した約9万人の妊婦を対象とした研究で、安全性の懸念がないことが分かった
- ワクチンは胎盤を通過しないので、胎児への安全性の懸念がなく、ワクチン接種によって流産のリスクは上がらない
- 専門家は、妊娠初期〜後期までどのステージでも接種可能としている
- 多くの妊婦が12週まで待ちたいという気持ちは理解できるため、その方が安心できるのであれば、12週まで待ってもいい
- 妊娠後期に感染すると、母体と胎児への危険度が上がるため、それまでには接種するよう推奨
- 妊婦にはファイザーとモデルナが推奨されているものの、既にアストラゼネカ製を接種済みで問題がなかった場合、2回目の接種も問題ないと考えられるので心配いらない
となります。
A guide to COVID-19 vaccination – Information on pregnancy and breastfeeding(PDF)
しかし、繰り返し推奨されていたにも関わらず、妊婦の接種率は低く、
2021年10月のデータによれば、7月以降、肺バイパス装置による治療を要した患者のうち5分の1(20%)が、ワクチンを一度も接種していない妊婦だったということです。
また、人工呼吸器で酸素濃度を維持できなくなった場合はECMO(体外式膜酸素療法)が使用されるのですが、集中治療室でこの治療を受けている16〜49歳の女性のうち、3分の1(32%)が妊婦でした。
なお、2020年12月にワクチン接種が始まって以来、イギリスでECMOを受けた人のほぼ全員がワクチンを接種していなかったことが、NHSのデータで明らかになっています。
NHS: NHS encourages pregnant women to get COVID-19 vaccine
私は、1回めの接種(2021年6月)後に妊娠が発覚しました。
2回目(同8月)の時点で妊娠6週でしたが、安全だという研究結果は既に出ており、感染後のリスクは絶対に避けたかったので、接種しました。副反応は1回目よりも更に軽く、ほとんどありませんでした。
3回目(ブースター)も12月に接種しました。こちらも副反応は特にありませんでした。
※全てファイザー製でした(事前に選択はできず、当日知らされます)
ワクチンを接種していない妊婦は重症化しやすいことに加えて、
例え接種して軽症だったとしても、妊婦は使用できる薬が限られるというのも、不安なところですよね。
妊婦が使用できる鎮痛剤は、基本的にパラセタモール(アセトアミノフェン)のみです。
私は妊娠前までは、即効性のあるイブプロフェンやロキソプロフェン(イギリスには売っていません)を服用することが多く、パラセタモールは使ったことがありませんでした。
なので、妊娠後に頭痛が起きた時に初めて使ってみたのですが、意外と効き目があり、ほっとしました。
妊婦、ついに優先グループに追加
さて、2021年12月16日、ついに妊婦が新型コロナワクチン接種の優先グループに追加されました。
NCT: Can I get the Covid-19 vaccine if I’m pregnant?
BBC News: Pregnant women put on UK’s priority Covid vaccine list
専門家らは長い間、妊婦を基礎疾患を抱えている人たちと同じように優先グループに追加すべきだと指摘していましたが、やっとの進捗でした。
しかし、ブースターの予約は12月13日から一般にも広げられていたため、16日から優先グループに追加されたからといって、特に何が優遇されているという実感もありませんでした。
これには、どちらかというと、「妊婦は一刻も早くワクチンを接種してください」ということを、より多くの人の目に届くよう強調したいという狙いがあったのでしょう。
2021年2月1日〜9月30日までに、新型コロナウイルスで入院した妊婦の98%がワクチン未接種でした。
また、集中治療室に入院した235人の妊婦のうち、ワクチンを1回のみ接種していた人は3人で、2回接種した人は0人でした。
また、妊婦が感染すると、早産の可能性が2倍になります。
子癇前症や、緊急帝王切開の可能性も高まり、死産のリスクも2倍になるとされています。
しかし上記のように、入院が必要となる妊婦のほとんどは、ワクチン未接種だということが分かっています。
つまり、ワクチンを接種していれば、そのような重症化は免れる可能性が高いということです。
まとめ
妊婦と新型コロナウイルスの関係についてまとめました。
データによれば、ワクチン接種によるリスクよりも、未接種によるリスクの方が上回ると言えるのではないでしょうか。
私はこれまでに3回のファイザーワクチンを接種し、そのうち1回は妊娠初期でした。
現在妊娠8ヶ月ですが、年末にブースターも接種でき、満足しています。
感染しないよう、今後も気をつけなければいけませんが、万が一感染してしまったとしても、それによって赤ちゃんの命に関わるような事態にはならないだろうと、ある程度安心することができています。
ワクチン接種を悩まれている妊婦さんにとって、少しでも参考になれていれば幸いです。
大切な妊婦さんの体と、赤ちゃんの命。ぜひ、ご自身で納得のできる選択をしてくださいね。