ピュテアス|イギリス生活

プライド月間: LGBTQIA+の権利を祝う月

6月になりましたね。

あと一ヶ月で一年の半分が終わってしまうとは、衝撃です。

イギリスもようやく暖かくなってきました。

日中は太陽が出ていれば暑いくらいですが、日が暮れるとやはりまだ上着が欠かせません。

さて、そんな6月は、 プライド月間(Pride Month)です。

インスタグラムなどで、レインボーフラッグを目にした方もいるかもしれません。

近年、日本でも、LGBTの権利拡大に向けて、社会が大きく動いてきていると感じます。

特に今年は、3月に2つの印象的な判決がありました。

「法律上、同性婚が認められないことは憲法違反」とする初めての違憲判決(札幌地裁)と、「同性の事実婚も法的保護の対象になる」と認めた判決(最高裁)です。

朝起きて、いつものようにツイッターをスクロールしていたら飛び込んできたこのニュースに、とても嬉しくなりました。

まず17日に札幌地裁の違憲判決速報が入り、そのすぐ2日後に、最高裁のニュースが入ってきました。「この流れはなんだ!?凄い!!」と、興奮したことを覚えています。

当事者の方々にしてみれば、これまでにもどれだけ大変でつらい時間を過ごしてきたか、計り知れません。耐えられずに、自ら命を絶ってしまった方もいるでしょう。ようやく、あって当たり前なはずの人権を手にすることができるかもしれないと、光が見えてきたところなのではないでしょうか。

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「プライド月間」とその起源

プライド月間とは、LGBTQ+ の権利を祝ったり、訴えを続けていくことの表明、そしてコミュニティーへの支持を示す月とされています。

起源はアメリカで、1969年6月28日未明、ニューヨークの人気ゲイバー「ストーンウォール・イン」を警察が襲撃したことをきっかけに勃発した抗議デモ、「ストーンウォールの反乱/暴動(Stonewall riots)」にあります。

その事件が6月だったため、6月が「プライド月間」となっているのです。

1970年、その1周年を記念して、ニューヨークで初めてのプライド・マーチが開催されました。

現在、ストーンウォール・インは、米国の国定記念物(ナショナル・モニュメント)に指定されています。

また、2019年6月、ニューヨーク市警察は、1969年当時の警官の行動について、謝罪を表明しました。

イギリスにおけるプライド月間

この運動はイギリスでも広がりを見せ、1989年、チャリティー団体ストーンウォール」が設立されました。

現在では、ヨーロッパ最大のLGBTQ+ 権利団体となっています。

世界各地で行われる大規模なプライド・マーチは、ここイギリスでも行われています。

昨年は多くのイベントがキャンセルされましたが、今年は気をつけながらも各地で開催されるということです。

しかし新型コロナウイルスによる規制のため、6月だけではなく、9月までの夏の期間に行われることになるようです。(厳密には、年間を通して様々なところでイベントが行われています)

特に注目されるのは、London in Pride(9月11日)、Bristol Pride(7月10日/Festivalは3-16日)などです。

York Pride(6月5日)や Northern Pride(7月24日)は、オンラインで行われるようです。

LGBTQIA+とは?

LGBTQIA+について考えるにあたって、その意味は知っておきたいところです。

用語としては、「レズビアン」、「ゲイ」から認識されるようになり、「バイセクシュアル」、そして「トランスジェンダー」という言葉が定義とともにゆっくり浸透してきて、「LGBT」という総称がよく知られるようになりました。

その後、「Q」が加わり、数年のうちに、「I」「A」、そして「+」が付きました。

L・G・Bについては、説明不要な方も多いかと思います。

L – lesbian他の女性に対して性的・愛情的な指向を持つ女性
G – gay同性愛者、または同性に惹かれる人(レズビアンもゲイに含まれる)
B – bisexual男性と女性の両方に性的・愛情的に惹かれる人

Tにはいくつかの定義があります。

T – transトランスジェンダー、ノンコンフォーミング、ノンバイナリーの人
– transsexual手術や医学的治療により、ある性から別の性へと移行した人
– transgender出生証明書に記載されている性別とは異なる性別であることを認識している人

Qのうち一つは、NetflixでヒットしたQueer Eye(私も大好きな番組です)で知った方もいるでしょうか。

Q – questioning自分のセクシュアリティ、性自認、性表現を探求している状態
– queer社会的規範にとらわれないユニークな性自認を持つ人

I・Aはまだ馴染みのない方も多いかもしれません。

I – intersex男性・女性の中間もしくはどちらとも一致しない状態
A – asexualどちらの性別にも性的魅力を感じない、または典型的な方法で恋愛感情を抱かない人

このように、世の中には実に多くの「性」が存在します。

しかし、LGBTQIAにも当てはまらない性自認を持つ人もいます。

そのため、全ての人を受け入れられるよう、+が加えられるようなりました。

また、LGBTQIAの一員ではないけれど、LGBTQを支持している人(Ally – アライ)も、+に含まれます。

東京都、「同性パートナーシップ制度」導入検討

この記事を書いている間に、新たなニュースが入りました。

「同性パートナーシップ制度、東京都で導入検討 小池都知事が表明」

同性パートナーシップ制度は法的な効力を持たないが、自治体が同性カップルを「婚姻相当」の関係として公的に認めることで、一部の保障を受けることができる。

Yahoo! Japan ニュース

同性パートナーシップ・ネットによると2021年6月現在、都内で12件、国内では100件以上の自治体が同性パートナーシップ制度を導入。 都道府県規模では茨城県、群馬県、大阪府の3自治体が実施している。

Yahoo! Japan ニュース

‘法的効力を持たない’ 同性パートナーシップよりも、同性婚を早く認めたらいいのにと本音では思ってしまうのですが、こういった制度が、社会にどんどん良い影響を与えていくといいなと思います。

同性婚が認められないのは憲法違反なのに、法律違反ではない・・・ここの矛盾が、早く解かれるといいですよね。

レインボー柄の「感染防止徹底宣言ステッカー」を配布し、「東京の街を虹で埋め尽くす」のようなことを小池都知事が言っていた時は、ん・・・?と思いましたが、これは、頑張っていただきたいと思います。

日本の話が多くなってしまいましたが、プライド月間は世界共通。

誰もが自分らしく、そして愛する人と、社会的な権利を有しながら、堂々と生きられる世界になるように。

一人ひとりの、できることを続けていきましょう!

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