ピュテアス|イギリス生活

ニューフォレストへ行った話

イングランドが2度目のロックダウンに入ったのは、昨年11月5日。

やっとのことでVISAを取得し、間一髪、イギリスに引っ越した約1週間後のことでした。

来て早々外出できなくなる私を哀れんでか、ロックダウン前日に、義父母がとても素敵な場所へ連れて行ってくれたのです。

Contents

ニューフォレスト国立公園

雨の多い季節。ぬかるみはあるものの、きらきらした森林に癒されながら歩く。手には地図を。

ニューフォレストは、イングランド南東部のハンプシャーにある国立公園です。

ニューフォレストが国立公園に指定されたのは2005年。

英国の国立公園指定とは、その地が将来の世代のために守られ、保護されることを意味します。

ニューフォレストでは、たくさんのポニー(約5千頭)、ロバ(約200頭)、牛などの動物が放牧されていて、森の中ではリスなどの小さな野生動物、様々な爬虫類、5種類の鹿も生息しています。

また、その豊かな環境から、100種類の鳥の繁殖地となっています。特に冬の間は、多くの珍しい鳥が訪れるそうです。

広く美しい公園に入るのは無料で、思い思いに歩くことができますが、訪れる人はみんな、それらの自然や動物、キノコなども、そのままの状態に保つ義務があります。
キノコなどの菌類は、ニューフォレストの生態系にとって不可欠なものなので、採ってはいけないことになっています。

こちらでは、ニューフォレストに生息するさまざまな菌類について写真付きで紹介されています。
New Forest National Park: Fungi

ニューフォレストの放牧地で草を食べるポニーたち。
とてもかわいく美しいですが、触ってはいけません。

ポニーや豚たちは道路にも出てくるので、車の運転(特に夜)は注意が必要です。

豚のミッション⚡︎

秋に歩いている豚たち、実は「パンネージ」という重大ミッションの遂行中だったようです。この時期には、全部で約600頭の豚が放たれ、ポニーを毒から守るため、落ちているドングリや木の実を食べて回っているのだそう。

道路脇の草を食べたり、散歩するポニーたち。

千年を生き抜いたサバイバー

息をのむほど美しい古代の森

ニューフォレストの歴史は古く、1079年、ウィリアム征服王がニューフォレストを訪れたことに始まります。

彼はその地を「王室の森」と宣言し、「新しい狩猟の森」として「Nova Foresta」と名付けました。それが後に英語で「New Forest」と呼ばれるようになった由来です。

それから約千年。

ニュー(オールドですが)フォレストは、ウィリアム王を魅了したその時とほとんど変わらない姿で、神秘的な雰囲気を保っています。

ニューフォレスト国立公園は、西ヨーロッパで最も古代の木が集中している場所だと考えられていて、約1,000本の古代樹が残されています。

ニューフォレストは、いくつもの戦争をくぐり抜け、周囲の変化を生き抜いてきた、偉大なサバイバーなのです。

綺麗な木。オーク(Oak)? シデ(Hornbeam)?
もし分かる方、SNSでコメントください!

広大なヒースランド

ニューフォレストは、ヨーロッパで最も広範囲にヒースランドが残っている地域です(10,000ha/100㎢以上)。

「ヒースランド」という言葉に私も馴染みがなかったのですが、ヒースやヘザーと呼ばれる植物に覆われている平坦な荒地、草原、沼地など、さまざまな生息地を表すのに使われるそうです。

イギリス南部の他の地域では減少している生き物(鳥類、無脊椎動物、爬虫類など)や、珍しい植物が、ここには多く生息しているのだそう。

火事のあったと思しき跡。
それでもなお美しいが、哀しい。
ライターなど、火は使わないようにしましょう。
義父お気に入りの木
オウシュウシラカンバ
(英名: Silver birch / 学名: Betula pendula)

おわりに

イングランドの美しい国立公園、ニューフォレスト。いかがだったでしょうか?

本当に心から浄化されるような、素晴らしい自然が残された、美しい森林でした。

この日、夫は都合により来れませんでした。日本に住んでいた年数が長かったこともあり、彼はまだニューフォレストに行ったことがないのだそう・・・

季節によって変わる景色を見に、また今度は夫も一緒に遊びに行きたいと思っています。

壮大な自然を感じたい方にはおすすめの場所です。イギリスにご旅行の際は、ぜひ目的地に入れてみてくださいね!

ニューフォレスト全体を4分で紹介してくれている動画があります。これだけでもとっても癒されますよ。
New Forest National Park: Ancient trees

All photos by Manami

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