ピュテアス|イギリス生活

イングランド、全コロナ規制を解除予定

イギリスの新型コロナウイルスに関する最新情報をまとめます。(英時間 2021年7月10日)

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イングランド、ほぼ全規制を解除予定

イングランドでは、7月19日にほぼ全てのコロナに関する規制が解除される予定です(12日(月)のデータ次第で決定→※決定しました)

以下、予想されている変更点です。

社会的距離について

  • 会うことのできる人数制限の解除
  • 1m以上のルール撤廃(病院など一部の場所を除く)
  • フェイスカバー着用の法的義務の撤廃

イベントや集会について

  • ナイトクラブの営業が許可される
  • パブやレストランにおけるテーブルサービス以外の営業も許可される
  • 冠婚葬祭における招待客の人数制限解除(これまでは30人までだった)
  • コンサート、劇場、スポーツイベントへの参加者の人数制限解除
  • 礼拝における規制の解除

旅行について

  • アンバー(黄信号のことで、注意が必要なことの比喩)とされる国への渡航自粛の呼びかけの中止
  • アンバーの国から帰国後、英国でワクチン2回接種済みの成人は、10日間隔離する必要がなくなる
  • 18歳未満の自己隔離の規定解除

その他

  • 在宅勤務に関するガイダンスの終了
  • 介護施設への訪問者に関する制限撤廃

つまり、ほぼ全てのルールが撤廃される予定です(12日に最終決定されました)。

新型コロナウイルスの陽性反応が出た場合の自己隔離は、今後も法的に義務付けられます。

なお、イングランドにおいて、デルタ株の感染者数が多い地域(以下11地区)では、家族など以外との距離を2mとるなどの注意継続が呼びかけられています。

  1. ベッドフォード
  2. バーミンガム
  3. ブラックバーン・ウィズ・ダーウェン
  4. ブラックプール
  5. チェシャー・イースト
  6. チェシャー・ウェスト・アンド・チェスター
  7. グレーター・マンチェスター
  8. ランカシャー(カウンティー・カウンシル地域)
  9. レスター
  10. リバプール・シティ地区(ハルトン、ノーズリー、リバプール、セフトン、セント・ヘレンズ、ウィラル)
  11. ウォリントン

更に詳しい内容と、イングランド以外の地域については、こちらをご参照ください。
BBC News: Covid: What’s the roadmap for lifting lockdown?

感染者数の現状

新規感染者数は、著しく増えてきています。

7月3日までの1週間における各地域の感染者数は、

イングランド: 160人に1人(2月19日以来最多)
ウェールズ: 340人に1人(2月27日以来最多)
スコットランド: 100人に1人(1月16日以来最多)
北アイルランド: 300人に1人(4月3日以来最多)

とされています。(国家統計局(ONS)より)

また、このうち99%がデルタ株です。(イングランド公衆衛生局(PHE)より)

BBC News: Marked increase in Covid infections across UK

7月10日に新型コロナウイルスの陽性が確認された人は32,367人でした。

7月4日から7月10日までの1週間では213,528で、これは前の1週間と比較して30.0%の増加を示しています。

UK Government: Simple summary

コロナ以外の呼吸器系疾患の増加

冬の間はロックダウンによって抑制されていた新型コロナウイルス以外の呼吸器疾患気管支炎風邪などの症例が、今、少しずつ増えてきているそうです。

ロックダウン措置の緩和によって人々が再び関わるようになったからですが、これは、「将来のパンデミックや、コントロール不能なインフルエンザの大流行などに対して、政府の介入やロックダウンなどの措置が力になることを示している」との見方もあります。

イングランド公衆衛生局によると、イギリスでは、RSV(Respiratory Syncytial Virus: 呼吸器感染症を引き起こすウイルス)が急増している可能性があるようです。

また、ルールが緩和された後、通常は冬にしか見られない感染症にかかる幼児がA&E(救急外来)で急増しているとのことです。

人々が長い間人付き合いをしていなかったため、一般的なウイルスへの免疫力が低下していることが示唆されています。

イングランドのほとんどの地域で、新型コロナウイルスの新規感染者数が冬のレベルに戻っている中、それ以外の症状を訴える人々も増えているため、医療機関は手一杯の状況だといいます。

The Guardian: Non-Covid respiratory illnesses on rise in UK, medical experts say

専門家の見解

医療専門家達によれば、状況は改善する前に悪化し、感染者数は著しく増加するだろうとされています。

NHSは「前例のないプレッシャーに晒されている」といい、

英国王立医学校アカデミー(AMRC)会長は、「7月19日にすべての規制が解除され、生活が元通りになると誤解されているようですが、率直に言って、それは危険なことです」と警告しています。

BBC News: Covid to get worse before it gets better, doctors warn

また、オックスフォード大学でワクチンを開発したサラ・ギルバート氏は、「極めてリスクの高い人々に対してのアドバイスを、政府はまだ提示していない。」と危機感をあらわにしています。
i: Creator of Oxford vaccine Sarah Gilbert warns vulnerable will have to shield as Covid-19 cases rise

ワクチン接種者数

政府は、7月19日までに18才以上の全ての人に対して1回目のワクチン提供を、3分の2の成人に対して2回目のワクチン提供を計画しています。

現時点で約87%(約4,570万人)の成人が1回目の接種を終えており、3,400万人以上が2回目の接種も終えています

BBC News: Covid vaccine: How many people in the UK have been vaccinated so far?

7月10日最新

7月9日までに45,786,550人が1回目の接種を、34,541,129人が2回目の接種を終えました。
UK Government: Simple summary

ワクチンが「約3万人の新型コロナウイルスによる死亡を防いだ」ことや、「基礎疾患のある人やリスクの高い人に対しても高い効果がある」ことなどについてのデータも出てきています。

また、2回の接種を終えることで、症状のある新型コロナウイルス感染症の発症を約90%抑えられたという研究もあります。

The Guardian: Vaccines working as expected in preventing Covid deaths, say experts
BBC News: Covid vaccines do work well in clinically vulnerable

ワクチンの接種者は、今後更に増えていくことが予想されています。

まとめ

感染者数やその他の呼吸器系疾患も増加している中、規制の全解除は不安を伴います。

しかし、今回の規制全解除の計画は、上記のようなワクチン接種者の増加傾向やその効果などの現状を踏まえたものでもあります。

ボリス・ジョンソン首相は、「今規制の緩和を進めなければ、今後ウイルスが優位に立つ非常に困難な時期になって規制を解除するか、全てを来年に先送りするかのどちらかになってしまう」と述べています。
BBC News: Covid to get worse before it gets better, doctors warn

一方、専門家の警告も、納得できるものです。

規制が解除されたとしても、一人一人の慎重な行動様式は継続する必要があると思います。

一日も早く、感染の心配のない日常に戻れることを願うばかりです。

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