5月17日(月)、イングランドをはじめとするイギリスの多くの地域で、ロックダウンの制限がさらに緩和されました。
パブやレストランの屋内営業が解禁され、美術館や映画館などの営業も再開できるようになりました。
バースの「ホルバーン美術館」もついにリオープンということで、早速行ってきましたのでその様子をお届けします!
ホルバーン美術館
この建物、どこかで見覚えがありませんか?
そう、昨年末にNetflixで配信されるや史上最高の視聴率を叩き出した「ブリジャートン家」で、公爵サイモンの育ての親、ダンベリー夫人の暮らす邸宅の外観として度々登場していた、あの建物です。(観た方なら分かるはず!)
第一話でサイモンが馬に乗って颯爽と現れ、ダンベリー夫人の邸宅へ入っていったこのシーンで初めてホルバーン美術館が登場した時は、夫と叫びました。「そこじゃん!!」と。
ホルバーン美術館には、ルネッサンス期の貴重な作品からトマス・ゲインズバラの傑作まで、さまざまな見どころがあり、定期的に企画展も行われています。
舞踏室と、卿のコレクションルーム
2階では、18世紀の文化をテーマに、磁器、陶器、絵画、彫刻、銀などのコレクションが数多く展示されています。
美術館を設立したウィリアム・ホルバーン卿のコレクションのうち、小さめな部類のものが多く展示されている一角もありました。黄金時代のオランダの作品、宝石、肖像画など、ウィリアム卿がどのような芸術を楽しんでいたのかを実感することができます。
たくさんの引き出しもあり、自由に開けたりしながら、ウィリアム卿が世界中から集めたコレクションを見ることができます。日本の根付もありましたよ。
こちらは何か、知っていますか?
私は「ブリジャートン家」を観ていたため、「あっ、これって、あれじゃない?」と気が付きました。
これは、Snuff(スナッフ)と呼ばれる嗅ぎタバコの容器、スナッフ・ボックスです。スナッフは、細かく砕いたタバコの葉とスパイスなどを混ぜて作られ、18世紀においては、上流階級の間でファッショナブルなアイテムとして流行していました。
ジョージ3世の妻であったシャーロット王妃は、スナッフが大好きだったようで、’Old Snuffy’ として知られていたのだとか。
シャーロット王妃は「ブリジャートン家」でも重要な役どころでしたね。ホルバーン美術館には、シャーロット王妃の肖像画も展示されています。
英国絵画の黄金時代
最上階には、英国絵画の黄金時代の作品が展示されています。
バースに住んでいたウィリアム・ホアとトマス・ゲインズバラの作品を見ることができ、ゾファニー、ラムゼー、スタッブスなどの作品も展示されています。
ゾファニーの「The Auriol and Dashwood Families」は興味深い作品です。
下の少女は、バースの名所の一つであるPulteney Bridge(パルトニー橋)の名の由来となったウィリアム・パルトニーの娘、ヘンリエッタ・ローラ・パルトニーです。
彼女はウィリアムと共に、Great Pulteney Street(グレート・パルトニー・ストリート)とSydney Gardens(シドニー・ガーデン)を含む街、Bathwick(バースウィック)を作りました。
ホルバーン美術館は、このバースウィックに位置しています。
Oil on canvas, about 1777 – Angelica Kauffmann (1741-1807)
カナレットのヴェネツィア展
さて、これまでにご紹介した展示品は、ホルバーン美術館でいつでも見ることができます。
この日、真のお目当てはこちらのエキシビション、カナレットのヴェネツィア展でした。(Canaletto: Painting Venice)
カナレット(1697-1768)がヴェネツィアを描いた23点の絵画が、70年以上ぶりに展示されています。
私達は、昨年1月(パンデミック直前)にヴェネツィアを訪れていたので、記憶に新しい風景も多く、それでも数世紀前の絵画となると、服装をはじめとした色々な違いを感じるのも楽しいです。
また、バースの建築は、ヴェネツィアからの影響を受けているものもあるのです。その辺りも学びながら見ていくと、更に面白くなります。写真のように繊細で、あたたかみのある色合いの絵画は美しく、素晴らしかったです。
このエキシビションは、今年、9月5日まで行われています。
お洒落なガーデンカフェ
美術館の裏側には、数年前にできた素敵なカフェがあります。シドニーガーデンに面しています。
レストラン&バー・デザイン・アワードも受賞しているそうですよ。
今回は閉店時間になってしまい入れませんでしたが、近々お茶しに行きたいなと思っています。
まとめ
本記事では、営業再開当日に遊びに行った、ホルバーン美術館についてお伝えしました。
比較的小規模ではありますが、17~18世紀の歴史を感じられる、素敵な美術館だと思いました。
展示品のみならず、その外観も素晴らしいものなので、ロケ地になるのも納得です。
ウェディングやパーティーなどにも利用できるそうですよ。
The Holburne Museum: Venue Hire
バースにお越しの際は、ぜひ訪れてみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。またお会いしましょう!